相談事例⑤ 20代 女性

2017/01/15

物心ついたころから、母親から虐待を受け、自分を全否定されてきました。小さな頃は何をされても寂しくて、泣いて、しがみついて、お母さん、お母さん、と後を追っていました。こちらに振り向いてくれる事はありませんでしたこちらを振り向いてほしい一心で、母が喜んでくれる高校、大学、就職先を選び、どうしても母から認められたい、自分に振り向いてほしい、その気持ちだけで生きてきました。ふと気づくと、それだけの人生。20数年、何をどうしても母から否定され続け、力の暴力は無くなったものの、言葉の暴力はひどくなるだけで、自己否定が強くなっていきました。今思うと、地獄の日々でした。母から認められない自分は生きている価値が無い。毎日、自分に合っていないと思う職種で極限の状態で仕事をし、母の顔色を見て生きていました。限界がやってきた時に、「死」という言葉が心を過りました。初めて母に逆らう事が「死」。なんて悲しい人生なんだろう、と初めて母に憎しみの感情が湧いてきました。そこからが新たな地獄の始まりでした。今までの指針を失い、職場も失いました。何もしたくない毎日で母に何を言われても感情が動かなくなってしまいました。病院に通い処方箋を出され、自分はもう社会から見捨てられて廃人とまで思いました。人に会うのも嫌で友人との連絡も絶ち、部屋に閉じこもりきりになりました。ある日、部屋から移動する時にちょっとした事で転倒し、足を骨折して身動きが不自由になった事で普通ってなんだろう、楽しいってなんだろう、と考え始め、母の鳥籠から出たい、と強い衝動に駆られました。人に会いたくない事から、先生に電話をしました。「思っている事から話していいんだよ」と言われ、20年以上前の事から一気に堰を切ったように話しました。

その後最初の先生の言葉が「辛かったね。よく生きていてくれたね。」でした。

プログラムを組んでくださり、深い心の傷を癒すのも、凝り固まった私の思考を解くのも、時間がかかりましたが、プログラム最後の日は先生の声を聴くと、辛かった頃の自分を思い出すからもう先生の声を聴きたくありません、と冗談まで言えるようになりました。セッションも最初は壮絶でしたが、根気よく見捨てず本来の私を取り戻すまでお付き合いいただいた事は忘れません。

専門的な話もありましたが、先生の経験から来るアドバイスは心強かったです。今は一人暮らしを始めて新しい仕事も見つけ、お給料日を楽しみに働いています。先生の言葉「人間の素晴らしいところはね、転んでも起き上がって、何度でもやり直す事が出来ることなんだよ」

ありがとう、先生。